「株式会社設立のまとめ」
今回は、第2章のまとめとして、お客様からの質問が多い典型的な株式会社の設立の流れについてご紹介します。条文上の細かい流れは排除して、実務で一番多いパターンを分かりやすく再編成しました。
『(例)発起人1名、設立時取締役1名、資本金の額300万円の株式会社設立の流れ』
1.発起人による定款の作成及び公証人による定款認証
定款には発起人が実印を押印し、印鑑証明書を添付します。電子定款の場合は、電子定款作成代理人が電子署名しますので、委任状に発起人の実印を押印します。
2.発起人による株式引受及び出資の履行
出資の履行とは、すなわち資本金を銀行口座に入金することです。この時点では会社の口座は作れませんから、発起人個人の銀行口座に300万円(1円でも過不足があったらダメ)を入金し、通帳のコピーを取ります。
3.設立時取締役等の選任
原始定款にて設立時取締役等を定めている場合は、この手続きは省略できます。本事例では設立時取締役が1名ですので、自動的に設立時代表取締役となります。
4.設立時取締役等の調査
第11回でも紹介したとおり、現物出資等がない限りは調査報告書は法務局に提出不要です。理由は発起人=設立時取締役の会社が自分で自分を調査しても信用ができないからだと思います。が、調査報告自体は株式会社設立において必ず必要な手続きです。
5.株式会社設立登記申請
本店所在地を管轄する法務局へ登記を申請することによって会社成立となります。法人格は登記申請日に生じますが、登記事項証明書取得までは平均で1週間程度かかります。
次回からは、第3章として、株主総会について考えていきたいと思います。