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【第3章】株主総会

株主総会の決議要件(原則)

 今回は株主総会に関するお話の山場となる株主総会の決議要件についてです。非常に読みづらい会社法第309条についてのお話しなのですが、議事録を作成するうえでこの条文は避けて通れないほど重要です。まずは、例外規定を排除した株主総会の決議要件の原則論についてお話しします。

1.普通決議

 議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の議決権の過半数をもって行います。と、これでは何を言ってるのか分かりにくいので具体例で説明します。会社法で特に制限がない場合、普通決議により決議します。

【例1】株主A:議決権55、株主B:議決権25、株主C:議決権20 (計100個)

この事例の場合は、A1人が出席し、議案に賛成すれば議案を通すことができるという意味です。要するに何人株主がいようと議決権の過半数を握っていれば普通決議は可能です。

2.特別決議

 議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の議決権の3分の2以上をもって行います。定款変更、募集株式の発行、株式の併合、資本金の額の減少など会社にとって重要な決議の場合はこの特別決議によらなくてはなりません。

【例2】株主A:議決権35、株主B:議決権35、株主C:議決権30 (計100個)

この事例の場合は、A1人の出席では議案を通すことができません。B、Cも同様です。A、Bが出席の場合、議決権47個以上、A、C又はB、Cが出席の場合、議決権43個以上の賛成が必要です。ちなみに、【事例1】の場合だと株主Aは1人でも特別決議ができ、株主総会はほとんど意のままに操ることができます。経営権を握るため議決権の過半数を取りたがるのはこのような理由によります。

3.特殊決議①

 議決権を行使することができる株主の半数以上が出席し、かつ議決権を行使することができる株主の議決権の3分の2以上をもって行います。株式の譲渡制限の定めの設定や吸収合併・新設合併など株主に重大な影響を及ぼす場合にこの決議要件が必要です。

【例2】株主A:議決権40、株主B:議決権30、株主C:議決権30 (計100個)

この事例の場合は、A1人の出席では議案を通すことができません。B、Cも同様です。A、B又はA、Cの2名が出席し全会一致で決議すれば議案を通すことが出来ます。一方、B、Cだけの出席だと議決権の合計が60個であるため、3分の2以上という要件を満たさず議案を通すことができないことになります。

4.特殊決議②

 議決権を行使することができる株主の半数以上が出席し、かつ議決権を行使することができる株主の議決権の4分の3以上をもって行います。種類株式を定款に定める場合、株主平等の原則を覆す重大な決議であるため、この決議要件が必要となります。

【例2】株主A:議決権40、株主B:議決権40、株主C:議決権20 (計100個)

この事例の場合は、A1人の出席では議案を通すことができません。B、Cも同様です。A、Bの2名が出席し全会一致で決議すれば議案を通すことが出来ます。一方、B、Cだけの出席だと議決権の合計が60個であるため、4分の3以上という要件を満たさず議案を通すことができないことになります。

以上が会社法第309条の大原則となるのですが、定款に定めることによりこの要件を変更できるケースがあります。その点について次回考えてみたいと思います。

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