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【第3章】株主総会

「株主総会の諸問題」

 今回は、今まで触れてこなかった株主総会の諸問題について考えてみます。

1.株主総会決議等の取消しの訴え

 株主や役員等は、株主総会の決議に提訴原因がある場合、株主総会決議の日から3か月以内に取消しの訴えを請求することができます。(会社法第831条参照)
提訴原因とは①株主総会の招集手続きや決議の方法が法令もしくは定款に違反して著しく不公正なとき、②決議の内容が定款に反するとき、③特別利害関係人が議決権を行使して著しく不当な決議がされたときのことをいいます。
上記の①については「手続き」の問題であり、②については「決議の内容」の問題です。「決議の内容」が法令に違反していたらそれは取消しではなく無効の問題ですですので、②については定款違反の場合のみ取消しの訴えを請求することができるのです。
なお、この決議の内容が法令に違反する場合は決議無効の訴えを請求することができます。(会社法第830条第2項参照)
③について、特別利害関係を有する株主でも株主総会で議決権を行使できる点がポイントです。後にお伝えする取締役会においては特別利害関係のある取締役は議決権を行使することが出来ません。しかし、株主は自分たちが儲けるために会社の株式を所有しているわけですから、特別利害関係を有する株主が株主総会で自己の利益をはかるために議決権を行使しても会社に対する背任行為にはならないので議決権を行使できるのです。ただし、権利の濫用は許されませんので、一部の株主利益のみ追及するような著しく不当な決議には決議の取消し請求をできることになっているのです。
 裁判所は、招集手続きまたは決議の方法が法令もしくは定款に違反した場合でも、その違反の事実が重大でなく、かつ、決議に影響を及ぼさないものであれば、決議取消しの請求を棄却することができます。たとえば、株主が数万人もいるような上場会社などで、たった一人に招集通知が届かなかったからといって決議をひっくり返してしまったら社会的にも会社的にも大変な影響を及ぼします。そこで裁判所が空気を読んで「違反だけれども決議は取消しは行き過ぎでしょ」という判断を下せるようにしているのです。

2.自己株式と相互所有株式

 自己株式とは、文字通り株式会社が自ら所有する自社の株式のことです。この自己株式については株主総会において議決権が認められていません。
 第1章で述べたとおり、株式会社は所有者(株主)が経営者(取締役)に会社運営を任せる「所有と経営の分離」という原則のもとに成り立っています。株主は取締役にとって経営が上手くいかなければおしかりを受けたりもする目の上のたんこぶ的な一面もあるのです。その株主が自社であれば、取締役の思うままに株主総会が運営できてしまう可能性があるので、議決権の行使ができないのです。
 相互所有株式とは、A社とB社でともに相手方の議決権の4分の1以上の株式を所有するケースことです。お互いに議決権を行使することが出来ません。これも所有する株式を通じて取締役が不当に影響力を行使することを防止するためです。たとえば、A社の取締役がB社株主としての地位を悪用して影響力を行使し、さらにB社所有するのA社株主としての地位を悪用してA社の株主総会にも影響を及ぼすことができるとしたらA社の取締役のやりたい放題となってしまいますから相互所有株式はお互いに議決権を行使できないことになっています。

次回からは、章を変えて株主総会以外の機関について考えていきます。

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