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【第4章】株式会社の機関(総論)

役員及び会計監査人の責任

 今回は株式会社に対する役員及び会計監査人の責任について考えてみたいと思います。

 株式会社と役員及び会計監査人との関係は委任に関する規定に従うとされています。(会社法第330条参照)言い換えますと、役員及び会計監査人は民法上の委任契約の責任と同じ善良な管理者としての注意義務を負うことになります。この注意義務に違反した場合、会社に対する責任が生じることになるというのが大原則です。

会社法ではさらにその責任について、「任務を怠ったときは」これによって生じた損害を賠償する責任を負うと規定しています(会社法第423条参照)。つまり、任務を怠らなければ責任を問われることがない「過失責任」を原則としています。
ちなみに商法では「無過失責任」が原則でしたので、真面目に役員の仕事をこなしても、年間数百万~数千万の役員報酬に対して数百億円の損害賠償責任を負う可能性もあったため、あまりにリスクが大きく役員になり手が少なかったという裏事情が存在します(笑)。

そして、この責任は、総株主の同意がなければ免除することができないとされています。(会社法代424条参照)総株主の同意というのは大きな会社になればなるほど不可能に近く、あまりに非現実的です。そこで、役員等の責任を全部免除するのではなく、一部を免除する(責任の上限を設定する)ことができる制度が設けられています。(会社法第425条・426条参照)

役員等が職務執行について善意で重過失がないときなど細かい要件はありますが、代表取締役(代表執行役)については報酬の6年分、取締役(執行役)については4年分、社外取締役・会計参与・監査役・会計監査人については2年分まで責任を負えば許してやろうという制度を株主総会の特別決議または取締役会決議(取締役の過半数の同意)によって設けることができます。ただし、定款に規定がないと取締役の過半数の同意による責任の免除はできません。また、「取締役の過半数」が必要かつ監査役設置会社を前提とした規定ですので、最近の主流である取締役が1人の会社では必ず株主総会の特別決議をする必要があります。

また、会社の外から経営や監査の専門家(社外取締役・会計参与、社外監査役、会計監査人)を選任する場合には、その責任について、責任限定契約を締結することが認められています。(会社法第427条参照)この場合、社外取締役等と責任限定契約ができる旨の定款の規定を置かなくてはなりません。
この場合、社外取締役の責任を報酬の2年分か、定款で定めた額のいずれか高い金額に限定する契約を結ぶことができるようになります。今まで関係のなかった会社からいきなり社外取締役等就任を要請されても、責任ばかり大きかったらなり手がいないことが考えられますから、このような責任限定契約制度が可能となったと考えられます。

次回からは、章をあらためて、取締役について考えていきます。

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