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【第2章】株式会社設立

「発起設立」

前回までは定款作成~出資までの株式会社設立に共通する原則についてお話をしてきました。ここから、株式会社の設立手続きは「発起設立」「募集設立」という二つの設立方法に分かれることになります。(会社法第25条参照)これまで何度か触れてきましたが、実務上は株式会社設立=発起設立といってもいいくらい募集設立の方法で設立する会社は少なくなっています。今回は、株式会社設立のほとんどを占める発起設立について考えてみたいと思います。

「発起設立」とは発起人が設立時発行株式を全て引き受ける設立方法です。一方、「募集設立」は発起人以外にも設立時発行株式を引き受ける者を募集する設立方法です。1人ないし数人で会社を設立したいケースでわざわざ株主を募集して会社に口出しされても困りますからね(笑)。結局、小規模会社では最初から募集設立の方法は排除されることになります。

発起設立では、会社成立時の株主は発起人のみです。発起人が支配する会社となるわけですから、設立手続きも簡単です。実務上は会社法所定の手続きをほとんど定款の中でカバーしてしまします。発起人が定款を作成するわけですから、募集設立のときに必要な創立総会という大げさな会議は開かなくて良くなります。

発起設立の場合、発起人が設立時取締役などを選任することになります。発起人の議決権の過半数の決議により選任し、それを証明する書面を作成して発起人が捺印します。

以上のとおり、会社法の原則では①定款作成、②出資の履行、③設立時取締役の選任という手順となるのですが、これも通常は原始定款に記載して手順を省略します。この場合、設立時取締役は発起人が出資を履行した時に選任されたものとみなされます。(会社法第38条第3項)会社法で定める順番が狂って①→③→②となりますが、原始定款は発起人全員で作成しているのだから、②出資の履行が後になっても例外的に認めましょうという趣旨です。会社実務でよくある原則と例外の逆転パターンの一つでです。

なお 、発起人は、会社成立までの間、設立時役員の解任をすることができます。しかし、これは実務でまず登場しません。設立前から役員選任でもめる会社なんて上手くいくはずありませんからね(笑)普通に考えたら「頭冷やしてもう一度出直しましょう」っていう感じですが、会社法ではこのようなもめるケースでの設立も想定して条文が作られています。(会社法第42条参照)

設立時取締役(監査役がいる場合は監査役も含む)は、選任後、遅滞なく設立手続きが適正に行われたかどうか調査をしなくてはなりません。(会社法第46条参照)この調査報告書は、商法時代は株式会社設立登記申請の添付書面でしたが、現在では金銭出資による発起設立では添付する必要がありません。新しく設立する会社ほぼ「金銭出資による発起設立」ですので、この調査報告書が必要なケースは現物出資があるときくらいです。第1章の設立手順の中で、この調査報告の説明を省略したのは、このような理由によります。誤解のないよう申し添えますが、調査報告「書」が必要ないというだけであって、調査報告自体は全ての株式会社設立手続きにおいて行わなくてはならないものですのでご注意ください。あくまで会社法上は・・・ですが(察してください(笑))まあ、最近の株式会社設立は一人会社が多いですから、自分で自分を調査してもあまり信用はできないということを法務省も察しているのではないかと(^_^;)だから調査報告書は原則添付不要にしたんだと思います。

ちなみに、変態設立事項のページで紹介した変態設立事項に関する検査役の検査と、今回ご紹介した設立時取締役の調査というのは全くの別物です。前者は変態設立事項についてのチェックを、後者は設立手続き全体についてのチェックをするものとなります。

次回は、株式会社の募集設立についてご説明します。

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