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【第3章】株主総会

「株主総会の決議要件(例外)」

 今回は、株主総会の決議要件の例外編です。前回、株主総会の決議要件について説明をしましたが、定款に定めを置くことによって原則を覆すことが可能となっています。以下、個別に説明していきます。

1.普通決議

 議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の議決権の過半数をもって行うのが原則ですが、普通決議には「定款に別段の定めがある場合を除き」という前提条件があります。<会社法第309条第1項参照>つまり、普通決議の定足数や決議要件は定款で自由に定めることができるのです。
原則論だと2人株主の会社で50株ずつ所有している場合、意見が合わず相手方の協力が得られないと普通決議も出来ない事態になってしまいます。この様な場合に備え、「株主総会の決議は、法令又は定款に別段の定めがある場合を除き、出席した議決権を行使することができる株主の議決権の過半数をもって行う。」と定めておけばこの問題を回避できます。最近の株式会社の設立ではこの定めを置いているケースがほとんどです。ただし、1株しか持っていない株主1人で普通決議ができてしまうリスクがありますので、少数の株式を所有する株主がいる会社では会社法の原則通りとしたほうが無難だと思います。

2.特別決議

 議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の議決権の3分の2以上をもってうのが原則ですが、定款に定めることにより、定足数を議決権の過半数から「議決権の3分の1以上」に緩和することができます。
 一方、決議要件については「出席株主の議決権の3分の2以上」よりもさらに加重して厳しくする定款の定めを置くことが出来ます。
特別決議について定款で定めているのは取締役会設置会社などある程度規模大きい会社のケースが多いです。株主の数は多いが、迅速に特別決議を行いたい会社では定款で定足数を緩和するケースを見受けますが、決議要件を加重するケースはあまり見たことがありません。自ら決めたルールに縛られて経営を前に進められない事態は会社にとっても悪夢ですので、特段の事情がない限り決議要件を加重することはあまりおすすめしません。

3.特殊決議①・②

 特殊決議については、①、②ともに決議要件を加重することができます。定足数については株主の(頭数の)半数以上が出席という部分は変えることができませんが、決議要件については議決権の5分の4以上などと定めることもできます。これも特別決議の決議要件の加重のケースと同様、諸刃の剣ですので定款で決議要件を加重する場合には十分な検討が必要です。

4.株主全員の同意

 上記までは、株主総会の決議要件の原則と例外についてのお話でしたが、会社法にはこれ以外に株主全員の同意を要する場合が定められています。株主総会の決議の省略(書面決議)や株主に重大な不利益を及ぼすおそれのある事項については株主全員の同意が必要となります。その他、決議事項に関する種別について、全て覚えるのは苦痛以外の何物でもないので、ケースごとに一覧表をご参照ただくことをおすすめします(^^;)。
(出典:相澤 哲・葉玉匡美・郡谷大輔 編著「論点解説 新会社法~千問の指標~」*㈱商事法務)
 次回は、株主総会のその他の諸問題について考えてみたいと思います。

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